コンテンツへスキップ

TECHNICAL NOTES / 001

AIの操作権限を、境界で止める。

模擬エージェントの権限・承認チェックを、ローカルで検証しました。

内容を見る
このページの目次

「気をつけて」という指示の外側で。

社内文書を読み、外部への送信も扱うAIエージェントを想定しました。今回の問いは、モデルの回答品質ではなく、「許可されていない操作を、処理の境界で拒否できるか」です。

自社の模擬検証 / 2026年11月2日

顧客環境や実際のAI製品を診断した結果ではありません。再現用の小さなプログラムで、権限判定の考え方を確かめています。

対象環境と前提

検証環境
Windows / Python 3.14。Python標準ライブラリのみを使用。
テストデータ
営業・人事の2利用者、部門別の検証用文書2件。顧客データや認証情報は使用しません。
対象の処理
文書の閲覧と送信の許可判定。外部API、LLM、実際のファイル閲覧・メール送信は実行しません。
承認の前提
別の承認者から渡された信頼できる承認情報を、テスト入力として扱います。承認者の認証や改ざん対策そのものは今回の対象外です。

8つの条件を、同じ基準で確認。

利用者を確認文書の権限を照合操作と承認を確認許可 / 拒否
確認条件期待値実行結果一致
権限内の閲覧許可許可一致
他部門文書の閲覧拒否拒否一致
不明な利用者拒否拒否一致
存在しない文書拒否拒否一致
承認なしの送信拒否拒否一致
対象操作に一致する承認あり許可許可一致
別の操作に対する承認拒否拒否一致
定義していない操作拒否拒否一致

実行環境:Python 3.14.10 / Windows。表は同梱の実行結果ファイルから表示しています。

再現方法

python permission-boundary-demo.py

確かめられたことと、残ること。

この模擬モデルでは、許可した閲覧と承認済みの操作を通し、それ以外の確認条件を拒否できました。ただし、これは定義した8条件に対する結果です。

  • プロンプトインジェクションへの耐性や、AI製品全体の安全性を示すものではありません。
  • 実環境では、認証済み利用者情報の取得、検索結果の全件チェック、別の実行経路への対策が必要です。
  • 承認は、送信先・本文・添付・有効期限・一回限りの利用などに結び付け、実行直前に再確認する必要があります。
  • このコードは承認の真正性・再利用・内容変更を検証しません。そのまま本番のセキュリティ部品として利用するための実装ではありません。

業務では、操作単位で設計する。

まず「読める情報」「変更できる情報」「外部へ送れる情報」を分けます。そのうえで、人の承認が必要な操作、記録する内容、止まったときの連絡先を決めます。

診断結果を改善計画にまとめる形は、診断・報告内容をご覧ください。今後の検証も、背景・対象環境・方法と結果・限界・業務への取り入れ方の順で整理します。

ご相談 → 対象と懸念点の確認 → 支援範囲・お見積もりのご提案。初回は業務の概要だけでご相談いただけます。